こんにちは。この記事は『花開くはずだったプロスペクト』の第5弾です。
こんにちは。2025年ではしばらくの間、新企画として『花開くはずだったプロスペクトたち』という企画をやっていこうと思います! 企画内容2025年現在、プロ野球ではプロスペクトという概念が一般化しています。[…]
今回の再現選手は、来日した助っ人史上最も高い期待をMLBで受けていた元トッププロスペクトのマット・ムーア選手です。
パワナンバー:11600 91104 11525
<画像ファイル>
マット・ムーア(55)
TB(2011-2016)→SF(2016-2017)→TEX(2018)→DET(2019)→福岡ソフトバンクホークス(2020)→PHI(2021)→PHI(2022)→LAA(2023)→CLE(2023)→MIA(2023)→LAA(2024)
<再現年度:2013年> 27登板 17勝4敗 150 1/3回 143奪三振 76四球 3.29
選手について
21世紀に来日した助っ人外国人選手の中で最もMLBのプロスペクトランキングが高かった元「超・トッププロスペクト」。高い期待とは裏腹にMLBでは故障により主戦級にはなりきれなかったものの、日本での復活を経て再びMLBのマウンドに返り咲いた左腕。
先に来日前のMLB成績を掲載すると、2012年・2013年・2016年と3度の2桁勝利を達成している。
そのうち今回査定した2013年は自己ベストのWARを記録しており貯金13とオールドスタッツでも優秀。これを見る限りでは「花開くはずだったトッププロスペクト」の看板に偽りがあると思われるかもしれない。
だが、MLB時代のムーアはプロスペクトランキングで全米1位に輝くほどの超有望株だった。しかもその年の上位3名は名選手であるマイク・トラウトとブライス・ハーパー。
つまり当時の期待値の高さではあのトラウトとハーパーよりも上だったということだ。
参考:当時のMiLB公式が発表したプロスペクトランキング
それもそのはず、MLBデビュー時のムーアは最速158km/h・平均153km/hの速球を投じており、ナックルカーブとチェンジアップの威力も抜群。
パワーにも技巧にも優れた将来のスーパーエース候補として申し分ない素材の持ち主であった。
MLBデビュー後は制球にやや苦しんだものの2012年と2013年に2年連続で2桁勝利をマークするなどエースの階段を登り続けていたが、一方で毎年平均球速は下降の一途を辿る。
2014年のトミージョン手術が決定打となり、以降は2016年こそ復活の兆しを見せたものの「元全米No.1プロスペクト」としては物足りない成績に終始してしまった。
とはいえ2020年のソフトバンク時代に度々好投を見せてMLB復帰を果たした後はリリーフとして復活。現在はFAとなっているものの2022-2023シーズンでは安定した投球を続けていた。
2025年はレッドソックスとマイナー契約を結んでいたが4月に解雇されてからはFAの状態。キャリアの瀬戸際を迎えている。
能力について
カットボール:投げ始めたのはトミージョン明けの2015年から。この頃はシンカー系統がサブ球種。
ノビB:平均球速こそ落ち気味(なため球速安定はオミット)だがPitch Valuesではプラス。動画を見てもバットの上を通り過ぎる球質だった。
尻上がり:76球〜100球目の被OPSが.581とレギュラーシーズン通算(.655)を.070以上下回っている。
勝ち運:総先発27のうち12試合で6点以上の援護点を貰っている。勝ち負けの比率と貯金を見ても付けていいかなと
緩急◯:パワーピッチャーだがPitch Valuesが最も高いのはチェンジアップ。前年も変化球の方がPitch Valuesは高い。
ナチュラルシュート:2015年以降のsavantのデータを見る限り、他の左投手と比較してシュート成分が強い直球を投げている。この年に限れば「威力で抑えている」という好意的な見方をしてこちらで。不調年なら抜け球でいいと思います。
フライボールP:トミージョン前のGO/AO比率はいずれも1を割っている。
荒れ球・四球:BB/9;4.55。パワーピッチャーなので荒れ球も付けたい