こんにちは。
先日、ドラフト前の戦力分析ということで千葉ロッテの補強ポイントを予想しました。
【プロ野球】私的・各球団2020ドラフト予想 千葉ロッテマリーンズ編(補強ポイント編)
今回は読売ジャイアンツ編です!前回と同じように年齢構成表や2軍成績も見ながら戦力を確認していきましょう。
<注意>
・当記事の情報は2020年10月2日現在のものです。また、各データは集計の関係上、日付にズレがあります。あらかじめご了承ください。
・UZRのデータは1.02 – Essence of Baseball様より引用しています。
[ad]選手の年齢構成について
まずは前回のロッテの時と同様に、現在の選手層を見てみます。
以下の図は、今季の所属選手を年齢別にまとめた表です(年齢は2021年の満年齢としています)。赤字は1軍レギュラー格、青字は一軍準レギュラー〜控え枠です。
この表を見る限りでは、投手陣も野手陣も比較的年齢バランスよく構成されています。
投手陣では若手の戸郷翔征投手・大江竜聖投手が台頭したことが大きいです。順調に成長を続ければ5年〜10年単位でチームに貢献を続けられる選手にもなり得ます。
一方で、投手陣の課題として右投手の中間層がやや稼働し切れていない点が考えられます。
エースの菅野投手・抑えのデラロサ投手といった安定戦力や、若手の戸郷・直江・太田投手ら楽しみな選手も多い反面、25〜30歳前後の世代で一軍戦力になっている選手が少なめです……。
桜井投手・宮國投手・畠投手ら「潜在能力は抜群だが、どうも殻を破りきれないドラフト上位組」が多いのも原因でしょうか。
野手に目を向けてみます。
捕手は2020年に大城卓三選手が飛躍を遂げました。今年28歳という年齢を考えても、急を要するポジションではないでしょう。また下の世代には有望株の岸田行倫選手も控えています。
内野はコアとなる4番打者とセンターラインに20代の岡本和真選手と吉川尚輝選手が安定しているのが大きいです。中堅層にも若林選手・増田選手といったバイプレイヤーが控えています。
外野はやや課題のポジションか。今季に松原聖弥選手が出てきたものの、丸選手以外は全体的に帯に短し襷に長しという状況。二軍に有望株はいますが、まだ出てくるのには時間がかかりそう。
総じて、捕手と内野には大きな穴はない一方、外野手でスタメン起用できるレベルの選手が不足気味といったところでしょうか。
[ad]投手の状況について
選手構成
ここからは、投手と野手に分けて戦力をより詳しく見ていきたいと思います!
まずは投手陣から。下の図は投手陣をポジション別に分けてみた図です。赤字は一軍の主力、紫字は二軍の主力格です。
後述しますが、二軍ではルーキーの太田龍投手が多くの先発機会を得ており、一定の成績を残しています。
先発は一見駒が揃っているように見えますが、菅野投手以外はローテで勝ちを積み重ねる存在としては不安が残ります。
また、菅野選手が2020オフにメジャー移籍する可能性を考慮すると、先発の駒を確保する必要がありそうです。
中継ぎも同様で、一軍主力クラスの安定感は素晴らしい一方、その下を支える選手(特に右の中継ぎ)が欲しいところ。
次に一軍投手陣の成績を見てみます。
一軍の状況
まずは先発陣から。緑のセルは左腕です。
菅野投手・戸郷投手の2人が素晴らしい成績を残しています。特に菅野投手は奪三振・与四球・被本塁打のすべてで優秀な指標を残しています。
一方で、若手〜中堅の田口投手・メルセデス投手・今村投手らも一定の活躍はしているものの、「軸」とは言い切れない状況。菅野投手のメジャー挑戦後のエースとしては不安……。
とはいえあくまで「表ローテの軸としては」不安なだけで、4〜6番手としては及第点の成績を残している選手も多いです。
次は中継ぎ陣。緑のセルは左腕です。
中継ぎは12球団トップクラスの呼び声もあるように、右左がバランスよく整備されています。若干大江投手が指標的には良くないですが、まだ22歳でありこれからの選手です。
一方で、デラロサ投手以降の3人は若干気がかり。
高木投手はケガ、宮國投手と田中豊投手は素質と二軍での成績がありながら一軍では歯痒いシーズンが続いています。
このあたりの選手で好成績を残せる選手が出てくればブルペン事情はさらに楽になりそうです。
二軍の状況
次はファームの選手層を見てみます。
二軍の若手では太田投手・沼田投手・堀岡投手・直江投手らが多く起用されています。太田投手以外は今季一軍登板を経験しています。
直江投手は被弾こそ多いものの優秀な奪三振率と四球率を兼ね備えており、来季以降も期待できそうなプロスペクトといえます。
沼田投手と堀岡投手は一軍でこそ結果を残せませんでしたが、まだ若くファームでは連続して結果を残しているため、まだまだ期待していいのではないでしょうか。
来季使えそうな右のリリーフ枠では山川和大投手とビエイラ投手が好成績を残しています。特にビエイラ選手は制球難以外は一軍でも通用する力を持ち合わせており、年俸も高額でないことを考えるともう1年見たい選手といえます。
投手編・ドラフトで狙いそうなポイント
これらの状況を踏まえると、今年狙いたい選手は
・球威のある即戦力型右腕リリーフ
・左右問わず1年目からローテに入れる先発
・育成含め、2軍の先発型若手をきちんと先発させるための即戦力投手(育成含む)
あたりでしょうか。
3つ目に関しては、2軍で先発として育てたい投手をリリーフで使わざるをえないような投手不足の解消が目的です。
けが人もいるとはいえ、現状の育成契約の選手陣を見てみると、2軍での登板機会も少ない選手がそれなりに存在します。
今年の「育成選手を10人ほど取ります」発言にはこのような意図があるのではないかと考えています。
[ad]野手の状況について
一軍の状況
まずは一軍野手を見ていきましょう!
一軍ではやはり岡本選手・坂本選手・丸選手ら”枢軸”の充実ぶりが目を引きます。丸選手のUZRこそやや不調なものの、打撃でも守備でも貢献できる彼ら3人の存在が他球団を引き離す要因と言えるでしょう。
また、大城選手と吉川選手がともにOPS.750以上を記録しているのも大きいです。彼らは二塁・捕手という守備負担の大きいポジションでありながら、打撃で大きなアドバンテージを作れています。
しかも彼らは2人ともまだ20代。今後さらに伸びる余地すら秘めています。
一方で外野はやや不安か。
期待の新鋭である松原聖弥選手はBABIPがかなり高い(≒成績の再現性に不安が残る)点、亀井・ウィーラー・パーラ選手は年齢(いずれも30代中盤〜後半)とケガしがちな点が難点。
それを埋める役割の重信選手・石川選手もレギュラー定着できるほどの成績は残していません。
……では、今の2軍には彼らを刺激する選手はどれほどいるのでしょうか?
二軍の状況
次に二軍の成績を見てみましょう。
若手では湯浅大選手・香月一也選手・八百板卓丸選手あたりが出場機会を得ています。菊田選手・増田選手は経験が浅くこれからの選手です。
ただ、湯浅選手は長打力、香月選手は守備、八百板選手は成長度(※)が弱点になっており、まだ二軍から一軍へのステップアップ途上といったところ。
(※)八百板選手は一見好成績に見えますが、同程度の成績を3年間続けており、「数字の伸び」といった観点からはいまいちなためです。
2軍で好成績を残しているのは、陽選手・石川選手・重信選手などの「一軍半」の選手。
裏を返すと”一軍と二軍の壁でもがいている”とも言える状況となっています。
野手編・ドラフトで狙いそうなポイント
以上のことを踏まえると、野手では以下の点が補強ポイントと言えるでしょう。
・外野のプロスペクト候補
・近未来に遊撃を「守れる」内野手
・左の強打者候補(外野ならベスト)
外野のプロスペクトはなんとしても確保したいところです。現状では将来世代で外野のコア候補と言える選手がいないからです(山下航汰選手もプロスペクトですが、ケガと守備力が課題)
また、大学〜社会人で遊撃候補を取る手もあるでしょう。
現状優先度は高くないものの、遠くない将来の坂本選手コンバートに備える必要があるためです。現状は吉川尚と増田選手がいますが、彼らの下世代やケガした時の対策で遊撃候補は欲しいところだと思いました。
最後は左の強打者。
プロスペクト視される山下選手は現状巧打型の選手であり、左のスラッガー候補である松井選手・伊藤選手もまだ時間がかかる(上に1年目の成績が芳しくない)状況。そのため、左でHRを打てる候補自体が少なめの状況です。
……このように書いてみると、1位指名が有力視されている某選手は補強ポイントにピンズドという状況ですね。
[ad]最後に
ここまで読んで下さってありがとうございます!
補強ポイントを再確認すると以下のようだと考えています。
【投手】
・球威のある即戦力型右腕リリーフ
・左右問わず1年目からローテに入れる先発
・育成含め、2軍の先発型若手をきちんと先発させるための即戦力投手(育成含む)
【野手】
・外野のプロスペクト候補
・近未来に遊撃を「守れる」内野手
・左の強打者候補(外野ならベスト)
次回は、「当該ポジションにいる選手の中で指名しそうな選手」を考えていこうと思います!
【ドラフト予想:ロッテ編】
【プロ野球】私的・各球団2020ドラフト予想 千葉ロッテマリーンズ編(補強ポイント編)
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